【小説】黒い犬は希望を求める。
私は犬です。しかも、黒い犬です。
名前も黒い犬です。いろんな呼び方はありますがここでは黒い犬とお呼びください。
私は唐突に人様の家へ入ります。
その家の主は土足で入ってくる野良犬に驚き、こういいます。
「黒い犬がやってきた!」
私は人々から嫌われています。
なぜかというと家を荒らすからです。家の中のものを荒らすのが私の仕事。
どんなに立地のいい家や、強い家でも私の手にかかれば荒れ放題。粉々です。
私が去ると人々は残骸を拾い集めまた家を作ります。
人によっては、新しい建築材料を調達します。
私の仕事は壊れかけた家を解体して、また新しい家を建て直させること。
人間は私に家を壊されないと、壁にひびが入っていることに気付きません。人間はひびを見ないふりをして生活しようとします。
その時は、私が透かさず壊します。
今日もまた誰かがひびをつけたまま家を放っています。
それを壊すのが私の仕事です。
この小説を書いている人はこんな人だよ!
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